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イエスの風 No,77


 最近、ふと思い立って、散歩を始めました。散歩なんて思い立って始めるものなのか…と言われてしまいそうですが (笑)。ただ歩くことを愉しむと言うこと…、なんと難しいことかと思いました。私たちは、何処かへ向かって歩きます。歩くことは、移動の手段以外の何者でもない…。だから当てもなく歩くこと、まして歩くことを愉しむなんてことは今までしたことがないわけで。歩き始めると、知らない間に目的地を定め、足早に歩いている…。周りの景色を愉しむことも、自分が歩いていることも忘れて、どんどんスピードアップして行きます。焦り、不安…色んなものが心の内に在り、ただ歩くこと、歩くことを愉しむことが出来ない自分に気付かされました。50数年生きて来て、どのくらい歩いたのだろう。けれど、散歩すらまともに出来ない自分に失笑です。けれど、初心者の如く、新鮮な気持ちで散歩を始めようと思います。イエス様と一緒に…。

 今週も神様の息吹によって生かされますように。祝福を祈ります。

 ※写真は、先日行った藤城清治さんの個展(教文館)で撮影したものです。96歳になって、なお現役で作品を制作している姿に感銘を受けました。そして、毎日歩いておられると言うことが紹介されていました。私が歩こうと思い立つきっかけをつくってくれました。


マタイ21章33~43節「ぶどう園の主人は、その農夫たちをどうするのか…」   

 この世界は、神のお造りになった大切なぶどう園…。豊かな実りをもたらすために必要の全てを、神が準備し、私たち人間に委ねて下さった。愛、喜び、平和…、そこに生きる者たちが互いに愛し、支え合いながら、共に喜び暮らすように、互いへの感謝に溢れて生きるために、そこに住まわせて下さった。神は、この世界に豊かな実りがあることを信じ、期待している。私たちを信じて…。

 けれど、神の期待は、何度も裏切られている。私たちの歴史は、神の期待を裏切り続けている。何度も愛の重要性が説かれ、平和の訴えがなされ、それに仕える人々が起こされて来た。今もその活動は続いている…。けれど、それは大海の一滴のようだと言われてしまう。今も失望、孤独、暴力…、死の陰が世界を覆っている。ひとたび、この世界の闇の深さに目を向けると、愛、喜び、平和…、感謝に溢れ、世界がいのちの歌を響かせる日が来るのだろうか…と思ってしまう。

 主イエスは、農夫たちの話をした。主人が大切にするぶどう園の収穫を期待して遣わしたしもべを殺し、主人の息子を殺し…。ぶどう園を横取りしにした(33~39)。「ぶどう園の主人が帰って来たら、その農夫たちをどうするだろう」(40)主イエスが祭司長、民の長老たちに尋ねる。「その悪者どもを情け容赦なく滅ぼして、そのぶどう園を、収穫の時が来れば収穫を納める別の農夫たちに貸すでしょう」(41)彼らが答えると、「ですから、わたしは言っておきます。神の国はあなたがたから取り去られ、神の国の実を結ぶ民に与えられる」(42)主イエスは言われた。まるで、「あなたがたがその悪者だ」と言わんばかりに…。

  「ですから、わたしは言っておきます。神の国はあなたがたから取り去られ、神の国の実を結ぶ民に与えられる」(42)私たちは、時に安心しきって主イエスの言葉を聞いている…。主イエスが、私たちではない、他の誰かを責めていると思って。けれど今、この言葉を聞いているのは、他でもない私たち…。主イエスの言葉の矛先が、私たちに向かっている…。「神の国の実を結ばない」全ての者たちに…。この福音書を記され、読まれた時、主イエスの言葉は、教会、そこに集まる者たちに向かっていたのだ。主イエスが、憂いている…。父が大切にしている園は荒れ果て、収穫がないがしろにされている。「神の国の実が結ばれていない…。だから、神の国は、その実を結ぶ民に与えられる。」私たちは、主イエスの憂いがわかるだろうか…。主イエスは、私たちの罪を露わにする。「神の国の実を結んでいない…。このままだと、取り去られてしまう」けれど、それは私たちを断罪しているのではない。切り捨ててしまおうとしているのではない。再び立ち返るために語られた。しかし、人々は、私たちは、主イエスを切り捨ててしまった…。彼の言葉に耳を塞ぎ、十字架に追いやり、殺してしまった…。彼に背を向けてしまった。

  「家を建てる者たちが捨てた石、それが要の石となった。これは主がなさったこと。私たちの目には不思議なことだ」(42)主イエスは、捨てられた石になった。しかし、神は、私たちに神の国の実を結ばせようと、主イエスを要の石にされた。要の石になる、それは復活。ここから、全てを新しく始まる。主イエスは、実を結ばなくなっている私たちを何度も招く。私たちは今日、ここから新しく始めることが出来る。「家を建てる者たちが捨てた石、それが要の石となった。わたしの許に来なさい。あなたを神の国の実を結ぶ者にする。」


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