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イエスの風 No,67

 人は、思ったよりも環境に適応出来るものだ…。緊急事態宣言が出され、自粛生活が始まりしばらく経ち、この生活のリズムに慣れ始めたのだろうか。まぁ、フリーランスとして活動している者にとっては、自らの生活にそれほど大きな変化がある訳ではないのだが。自分よりは、むしろ周りの変化が大きいように思う。忙しく動いていたのが、一気にスローダウンしたのだ。そして、普通と言われること、こうしなければならないと言うことが出来ない状況になって、いろんな事の多様さを受け入れざる得ない状況が生まれた…など。当たり前と言われることの中で、少々肩身の狭い思いをしている者としては、まんざらでも無いと言う思いにさせられているのだ。

 どうか、これから生まれて来るだろう新しい生活、価値観…、それらが、今までしんどい思いをしていた人たちの解放を意味するものとなりますように。

 主イエスの守りと祝福が、今日あなたにあるように。私たちが、愛に支えられ、導かれますように。

ルカによる福音24章13~35節「心が再び燃える」

私たちは、目に見えないものに怯え、行く先が見えないことに恐れを感じている。見えな いと言うことが、これほどまでに私たちを捉え、縛り付けてしまうのかと思う...。 二人の弟子が、エルサレムを後にした。苦楽を共にし、希望を分かち合いながら過ごした 仲間に別れを告げて...。どうして彼らは、去って行こうとしたのか。主イエスが見えなくな ってしまった...。彼らが期待をかけていた主イエスが死んで、居なくなってしまった。自分 たちの将来が見えなくなった。主イエスが殺されてしまった今、その危険が自分たちにも迫 っているのではないかと言う目に見えない恐れが彼らを覆ってしまったのだ。「ここに居る意味 は無い。ここに居てはいけない...」そう思った...。彼らは、迷い出てしまった。 けれど、この二人が迷い出た...とは、誰も思わないだろう。期待し、頼りにしていた方が居 られなくなったのだ。希望がなくなった。そればかりか、危険が迫るようになったのだ...。当 然、そこに留まるよりは、危険から逃れ、新しい道を探すために出て行った方が良いに決ま っている。たとえ、主イエスが墓から居なくなっていたと言う噂を聞いたとしても...。 私たちは、迷ってしまう...。たとえ信じていても、信仰を持っていても。目の前に起こる出 来事、自分たちが見ている事が余りに厳しく感じる時に。迷い出てしまう。信じることに戸 惑いを覚える。信じることを捨てて、見えることだけ、見ていることだけが現実だと思い込 んでしまう...。信じること、それは、見えていないこと、自分が見ていないことを現実だと受 け止めること。目の前に在ることだけが全てではないと言う心の柔らかさ、魂のゆとり...。 私たちは、つくづく信じることが難しいと感じる。なんと心が頑く、魂が狭いことだろう。そ こには、私たちよりも遙かに大きく力強い方の入り込む余地がない。私たちは、知らない間 に、神を見失い、神の居ない世界をつくり出してしまう。神に背を向け、神が造られたこの世 界から迷い出て、私の見ている世界、私の現実の中に閉じ籠もってしまうのだ。 主イエスが、迷い出た二人、神に背を向けて歩き出した彼らに近づき、一緒に歩き始めた。 「歩きながら、やりとりしているその話は何のことか...」と尋ねた(17)。主イエスは、迷い出た彼らをご自分 の許に引き戻すためにやって来た。消えかかった灯を再び燃え立たせるために...。「ああ、愚か で心が鈍く、預言者たちの語ったすべてを信じられない者たち...」(25)見えることに囚われ、見えない現実、 神の真実が分からない者。人間の想像を越えたことをなさる偉大な神を見失い、狭い世界に 閉じ込められた私たちの目を覚まさせ、再び神の創造された世界、この目で見ることが出来 ない神の国の現実の中に引き戻すために、主イエスが語られた...(26~27)。二人は、主イエスが 語られることばを聴き、心の深いところ、魂が息を吹き返し、燃え立つのを感じた(32)。心が 燃え立つ経験をした、彼らは、主イエスのことばによって、目に見ることが出来ない現実、神 の国に目覚めた。彼らの心に再び愛の灯が燃え始めたのだ。主イエスは、人を神の国に目覚 めさせ、その心に愛の灯を燃え立たせる。二人は、この出会いを通して、再び仲間の所へ戻る ため、危険を顧みずに立ち上がった(33~35)。彼らの中に燃え立つ愛が、恐れに打ち勝ったのだ。 私たちは、燻る灯心のようだ。嵐が起こり、強い風が吹くと、神への信頼の灯火は、いとも 簡単に消えてしまう。見えないこと、見えないものを恐れ、信じる心を失い、希望を見失う...。 信じる心を失い、希望を見失い、愛が冷え切ってしまう...。 よみがえられた主イエスは、今日、私たちに近づき、一緒に歩き、パンを裂き、祝福して下 さる。「ああ、愚かで心が鈍く、預言者たちの語ったことすべてを信じられない者たち...」そう言って、消えかか った私たちの心に何度でも火を点けて下さる。主イエスは、私たちの心、消えかかった愛を 燃え立たせるためによみがえられた。さあ、主イエスに私たちの愛を燃やしていただこう。

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